先月のAURA MAG Vol.36号で紹介した村上龍著『13歳のハローワー』がうけているらしい。発売から2ヶ月で53万部という驚異的な売れ行きを見せている。
キーワードは、“好き”から始まる仕事さがし・・・・。
中身を読ませてもらったが、この本が驚異的な売れ行きを見せているのは、“好き”をキーワードに職種を探せるようになっているからだろう。これまで、“好きを仕事にすることが、充実した人生を送る上で有利だ”という趣旨で貫かれた本はなかった。最近の不況な日本で、いい会社に入れば安泰という神話が崩れ、代わって“好きなことを仕事にしたい”という考え方が急速に広まっている。
好きなことを仕事にしていく!好きなこと=満足度が高い、やる気もおこるというわけだ。キャリア開発指導では、特に若年層には、進路指導として、興味・能力・性格の3大要素からの自己分析をまず行う。若年層の場合は、能力は潜在的なものであるから、興味や性格から仕事探しをした場合の方が、仕事にやりがいを感じる傾向が高いというわけだ。
車にまったく興味のない人が、車のディーラーの職に就いた、仕事はマニュアルやノウハウをいかせてやれても、喜びや楽しさを持ってやっていけるかということがある。
数字を扱うことが嫌いな人が、数字を扱う仕事に就いた、数字を扱うことが好きな人には苦ではない仕事も、数字が嫌いな人、苦手な人には、同じ仕事でも苦になるということがある。
“好きを仕事にする”ということは、最近言われ始めたことではない。小さい頃親や学校の先生から、『好きなことをみつけなさい。好きな仕事につきなさい』と言われてきたが、好きな仕事をうまく見つけることはなかなか困難なことでもある。本当に好きなことを仕事にするには、大変な努力がいるということも知っておかなければならない。
好きな仕事をすることは、楽しいことである。では、この世の中、誰でも、好きな仕事をうまく見つけられているのだろうか?そうとはいいがたい。
なぜなのか?なぜなら、“好き”にこだわるなら、こだわる以上、挑戦意欲、努力が必要で、リスクも避けることはできない。つまり、楽ではないからである。
どうしてもあの席を取ると念じるなら、がむしゃらに走る、なんとしてでも席を取る(挑戦意欲)、人より速く走る(努力)、転げる危険性も受けとめる(リスクを避けない)。
席取りゲームを思い出してほしい。